
※本記事は、リニューアル以前(旧・ムーサの芸術論)のアーカイブです。KAFUNの思考の原点として、当時のまま公開しています。
どうせ目に入って脳に届くなら選り好みを超えて「みておくべき」クリエーションというジャンルが、世の中には確かにあると思う。
一般的には「一流」とかいう言葉で表現されることが多いけど、それは他者が与えた称号にしか過ぎない。無名の人だとしても、圧倒的に「考え抜き、腕をみがいた」ことで抜きん出た何かになることもある。
そういう表現には過去・現在・未来を超えた「人を惹きつける魅力」が備わっていると思う。「(マーケティングや人気があると言うこととは区別して考えています)
さて、日本でいうと、戦後60~80年代までのグラフィックデザインはジャンルまるごと「評価」が高いので(ここでは理由は割愛しますね)、自分の目と感性を磨くために色々見る価値は大きい。
そのうちの1人が、佐藤晃一さん(1944-2016)。
とにかく「雰囲気」がすごい。


下の勅使河原宏監督の映画『利休』のポスターは、蛍光がかった不思議なセルリアンブルーからブルーパープルのカラーグラデーションを見せている。まるで未知との遭遇。真ん中には真空のような樂茶碗。
※手前味噌ですが、利休と道具としての樂茶碗について拙著『エグゼクティブはなぜ稽古をするか』(クロスメディアパブリッシング)で触れておりますので、ご興味あればご覧ください。
70年代カルチャーが好きな人は、ポップな中に深く感覚をひろげるサイケ感をキャッチするかも。文楽みたいなどす暗い色気もあるし。
何かをキャッチしたもの、どうやってビジュアルに落とし込むの?
多摩美の先生を長いことされていたので、教育にも力を入れてた方。若いデザイナーに向けた手書きをまとめた「学生たちに 書き残す本」から抜粋してご紹介します。
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作品は感覚的な作品と思われますが、実際には頭の作品の方が大きいです。
抜きん出たデザイナーの作品は、他の人よりもさらに考えた結果です。しかし、それぞれの素晴らしい作品は、長い間考えた結果ではありません 。考えてみた瞬間にすでにそこに立っていたイメージです。
この2つはムジュンのようですが、デザイナーの意識を探る上で非常に重要です。
つまり、高いレベルを持っていることが重要です。意識、そして仕事を考えるとき、リラックスする必要があります。
テクニックへの自信はリラックスできるための前提条件です。テクニックは伝達されますが、意識を伝える方法です。
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こちらの世界デザイン博覧会のポスターは、確か20代の頃に勤めていた会社の廊下に貼ってありました。虹色グラデーションは、誰がやっても似たような絵柄になりそうなのに、一度見たら忘れませんでした。
佐藤晃一さんのデザインには、発光しているものが多いですね。演出としてもそうなんだけど、形になる以前のぼんやりとした光をキャッチできる人だったように思います。
だって、本当に光っていますもんね。
これが意識なのだろうか。






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